双子のこと
2019-09-17


子どものとき、同じ学年に、3組の双子がいました。
女の子がふた組、男の子がひと組。
小学校と中学校の九年間、一緒だったので、どの双子とも、
少なくとも、片方とは同じクラスになりました。

みんな一卵性だったので、そっくりでしたが、
いつも一緒に遊んでいるわたしたち生徒は、
どちらがどちらかちゃんと区別がつきます。
声も、顔も、微妙に、でも、明らかに違うのです。
ところが、先生たちときたら、てんで見分けがつきません。
どうしてわからないんだかなぁって、みんなで不思議に思ったものです。

双子たちは、おもしろがってクラスを入れ替わったりしました。
(ふたりのロッテみたいですよね。)
でも、ただの一度もばれたことはありませんでした。

どの双子もきょうだい仲がよくて、話したり歌ったりすると
ハーモニーがきれいでした。
姿形はそっくりなのに、性格はそれぞれとても個性があって、
それが不思議で面白く、双子は、わたしにとって、
永遠に神秘的で、魅力的な存在となりました。

大学の卒論では、双子の女の子が主人公のファンタジーを書きました。
サラファーンの星にも、林檎園の双子(いたずらざかりの男の子)と、
葡萄亭という食堂兼宿屋の双子(子どものころは、やはり村一番の
いたずらっこだった十代後半の少年)を登場させました。
脇役で、葡萄亭の少年たちに至っては、話の中で語られるだけですが、
なぜかやっぱり双子の存在は、外せないのです。
どのキャラクターも、同級生とは、容姿も性格もまったく違うけれど
ありありと目に浮かんできて、つい書いてしまうのです。

高校に進学すると、同じ学年どころか、学校全体でも双子はいなくて、
以来、長いあいだ、まったく出会いませんでした。
そして数年前、双子の姉妹のお姉さんとお友だちになりました。
ひさしぶりの双子です。
二卵性なので、見かけは少し違いますが、とっても素敵な姉妹。
やっぱり双子と縁があったのかなと、なんだか嬉しく思っています。
[子どものころ]
[キャラクター]

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