イエスタデイ〓生きていることの愛おしさ
2019-12-24


「イエスタデイ」を観てきました。
売れないミュージシャンのジャックが、交通事故に遭って目を覚ますと、
誰もビートルズを知らない世界になっていた!という奇想天外なお話。
(驚いたジャックがネットでググると、ビートルズ=昆虫 と出てくるんです。)

夢をあきらめかけていたジャックは、一生に一度のチャンスと、飛びつきます。
誰も知らないなら、パクっちゃおう!
そこからジャックの人生はジェットコースターのように動き始め、
「イエスタデイ」を始め「レット・イット・ビー」「ゲットバック」など
数々のビートルズナンバーをヒットさせます。

ジャックの才能に惚れ込み、自分の前座を頼むミュージシャンとして、
エド・シーランが本人役で出演。
とっても自然で素敵な演技を披露しています。

けれど、ジャックは純粋に音楽が大好きなやさしい青年。
つねに後ろめたを感じ、巨大マネーと結びついた音楽業界に違和感を覚えます。
幼なじみでマネージャーだったエリーも離れてしまい……。
さて、どうする、ジャック!?

終盤近く、ビートルズファンには、至福の、そしてその幸せと同じくらい切ない
特別なシーンが用意されています。
ここに、作り手がこの作品に込めた思いが凝縮されているともいえる、
美しいシーンです。

わたしは1960年生まれ。
子ども時代、まわりにはビートルズの音楽があふれていました。
レコード(当時はCDはありません)を聴き始めたのは、解散したあとだったけど
「イエスタデイ」は特にメロディアスで大好きで、
中学一年の音楽の授業で、グループ発表の課題に選びました。わたしはピアノ
担当で、心を込めて演奏したのを覚えています。

ジョン・レノン暗殺のニュースは、衝撃でした。わたしは大学生。
その日はほとんどなにも手につきませんでした。
愛と平和を歌うミュージシャンが、主夫から再出発をした矢先に殺されて
しまうなんて…。
でも、ジョン・レノンの歌は永遠です。そして、ビートルズの歌も。

「イエスタデイ」は、ビートルズの曲のメロディの美しさ、
シンプルで心にまっすぐ入ってくる歌の力を改めて感じさせてくれる映画です。
そして、なにげない日常のかけがえのなさ、生きることの愛おしさを
伝えてくれる作品です。
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