黒のジョー 神出鬼没の心やさしき盗賊
2020-02-14


黒づくめの盗賊、黒のジョーは、最初からはっきりしたイメージがありました。
黒髪に、強い意志を感じさせる濃い瞳。
孤独を友とし、身のこなしは野生の猫のようにしなやか。
仕事(?)は大胆で、卑劣な人間は容赦しないが、女性や子ども、弱い存在にはやさしく
魅力的な笑顔を見せる。そんなイメージです。
相関図を作ろうと決めたとき、ざっと描いてみたのが、こちらのラフスケッチ。

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このイメージから、鉛筆でスケッチを描き起こし、水彩色鉛筆で、まず顔に
色を入れてみたのが下のスケッチ。
(もう少し野性的な感じにしたかったのですが、素人にはハードルが高かった…。)
このあと、髪の色とシャツの黒をぬって、スケッチを完成させ、
デザイナーの畠山さんにスキャンしたデータを送り、CGにしてもらったのが
公式サイトのキャラクターページのイラストです。

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盗賊の親方に拾われて育てられた孤児のジョーは、サラファーンの星四部作の中で、
もっとも過酷でドラマチックな人生を生きるキャラクターのひとり。

賞金のかかったお尋ね者ですが、『星の羅針盤』で暗示されるように、
前世では、愛と平和をうたった詩人で、
戦争を止めようとして、反逆罪で処刑されました。
そのときに、ずっとよりそっていたのが黒猫のアイラ。
時を超えて、黒のジョーとしての彼のことも、助けに現れます。

『星の羅針盤』では、もうひとつ。
ジョーは、フォーディルの村で二歳のときに疾走した少年だったことを
ほのめかしていますが、ジョー自身は、なかなかそれを思い出しません。
それでも、命の危機に陥って、二度昏睡状態になったときには、
それぞれ、その通常とは違う意識の中で、幼い頃の出来事を思い出すのです。

人生には、幸と不幸が、不運と幸運が交錯するときがあります。
二度も瀕死の重傷を負う、という不幸な出来事も、ある意味、ジョーに
自分が何者なのかを知らせる、大切な機会だったと言えるかもしれません。

ジョーは、最初から強い自己主張をしてきたので、とても描きやすかったです。
男爵の馬車を襲うシーンから、3人の仲間も含め、ありありと映像が
浮かびました。
男爵から邪険に扱われている男爵夫人には、とても優しい紳士のジョー。
若く美しい男爵夫人が、ジョーが立ち去る際、思わずキスしてしまうのも、
ごく自然な成り行きでした。

「あなた、黒のジョーね?」
「それは本当の名じゃない」
「じゃあ、本当の名前は?」

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