ホワイトアスパラの思い出
2020-06-21



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ホワイトアスパラガスは、4月から6月が旬だそうですね。
ヨーロッパの食べ物だと思っていたけど、北海道でも栽培されているようです。

子どものころは、白いアスパラガスというと、生ではなく缶詰で、
マヨネーズをかけて食べるのが好きでした。
そういえば、すっかり忘れていたけれど、緑のアスパラガスが登場したときは、
緑だ!とびっくりしたっけ。
今は当たり前にスーパーに並んでいますね。でも白いのはないなぁ。

両親がホワイトアスパラの旬に(そんなことはまったく知らずに)フランスを訪れ
レストランの前菜で山のようにでて、本当に美味しかったと言っていたので、
わあ、わたしもいつか機会があったら食べてみたいと思っていました。

その機会がめぐってきたのが、8年前。
父が亡くなって一周忌が過ぎたあと、母とふたりで久しぶりに旅に出たときです。
ザルツブルクを訪れ、旧市街のホテルにチェックインしたあと、
ザルツァッハ川にかかる歩行者だけの橋をのんびり渡って、
軽い食事ができるレストランを探していました。
どちらも、あまりお腹がすいていなかったのです。

河畔に瀟洒にたたずむのは、ホテル・ザッハー。
(ザッハートルテで有名なウイーンの名門ホテルです。)
豪華なホテルだけど、きっと、カジュアルなカフェもあるだろうと思って
中に入っていくと、ちょうど一階の素敵なレストランから、
支配人とおぼしき男性が、こちらにむかって歩いてきました。
彼なら知っているに違いありません。

「すみません。軽食のできるレストランはありますか?
川が見えるテラス席とかあるとうれしいんですけど」と聞いてみると、
「ああ! だったら、ぼくのところがいいよ」と満面の笑み。
ええっ。それは無理です。わたしはブルージーンズ。
全然ドレスアップしていません。
「いえいえ、わたしたちこんな格好だし、あまりお腹空いてないし」というと、
「ノープロブレム!」とにこにこ。
「でもほんと、スープとかサラダとか、ちょっとしかいらないんです」
「もちろん、そういうメニューもあるよ。さあ、来て。案内しましょう」
「あの、川をのぞむテラスがいいんですけど」
「それもまかしといて!」

ずんずん歩いて行く彼。
ほんとかなぁ。
半信半疑で、素敵な内装のレストランに入っていきました。
「こちらのご婦人方を、テラス席に案内してあげて」彼、スタッフを呼んでいい、
わたしたちに、「それじゃあ、エンジョイ!」

というわけで、母とふたり、黄昏のザルツブルク。

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